研究学園に住んで20年。
この街は素晴らしいですが、中学生のお子さんを持つ親御さんには、一つだけ残酷な現実をお伝えしなければなりません。
「つくば市は、偏差値50前後の『普通の子』が通える公立高校が、極端に少ない」
竹園高校(偏差値70超)や土浦一高の話題ばかりが聞こえてきますが、それはほんの一握りの世界。
今回は、家ではスマホばかりで勉強しない、偏差値48〜52くらいの「ザ・平均」のお子さんが、研究学園からどこを目指せばいいのか?
その現実と対策を徹底解説します。
データで見る「普通」の正体
まず、親御さんの焦りを解くために、客観的なデータを見てみましょう。
「うちの子、全然勉強しなくて…」と嘆く前に、この数字を知ってください。
令和の進学率(大学・短大・専門)
58%
出典:文部科学省 学校基本調査(R5)
令和の大学進学率は「約60%」
文部科学省の学校基本調査(令和5年度)によると、現役の大学(短大含む)進学率は過去最高の57.7%です。
専門学校を含めると、80%以上の子が進学します。
今は「選ばなければ誰でも大学に行ける時代」。高校選びですべてが決まるわけではありません。
偏差値60以上は「上位16%」の少数派
「せめて偏差値60くらいの高校には…」と軽く言いますが、統計学(正規分布)において、偏差値60以上というのは上位約16%しかいません。
30人のクラスなら、トップの4〜5人だけです。
偏差値50前後が「最大のボリュームゾーン」
偏差値の分布(30人クラスの場合)
偏差値60以上は、クラスにたった4〜5人です。
逆に、偏差値45〜55の間には、全体の約38%の生徒が含まれます。
つまり、「勉強しない、普通の成績」というのは、世の中の多数派であり、恥ずくべきことではありません。
しかし、問題はここからです。
「その多数派の受け皿となる高校が、研究学園の近くにない」のです。
研究学園から「偏差値50」の公立はどこ?
研究学園周辺 高校偏差値マップ
偏差値50前後(実力テストで300点前後)のお子さんが、研究学園駅から「自力で(親の送迎なしで)」通える公立高校を探してみましょう。
驚愕の事実に直面します。
▼研究学園周辺の公立高校マップ(偏差値目安)
- 竹園高校: 偏差値71(高すぎる)
- つくば北斗: 通信制
- つくば工科: 偏差値42(専門学科。普通科志望なら対象外)
- 筑波高校: 偏差値40前後(北条。つくバス利用)
- 茎崎高校: 偏差値40前後(茎崎。遠い)
お気づきでしょうか。
「偏差値50ジャストの普通科公立」が、つくば市内には存在しないのです。
成績がトップ層なら竹園や土一がありますが、平均層には選択肢がありません。
無理やり通うとしたら、以下の「近隣市」の高校になります。
候補1:水海道第二(常総市)
偏差値:50前後
商業科・家政科がメインですが普通科もあります。
候補2:伊奈高校(つくばみらい市)
偏差値:46前後
候補3:土浦方面(土浦三高など)
偏差値:50〜55
結論
結論として、「公立に行くなら、片道1時間以上の苦労をするか、親が3年間送迎するか」の二択を迫られます。
「近さをお金で買う」という選択肢
ここで浮上するのが、私立高校です。
特に研究学園エリアで現実的なのが、以下の2校です。
つくば秀英高校(偏差値48〜60)
- 場所: 研究学園駅から徒歩20分、自転車なら10分。
- 特徴: まさに「偏差値50前後」の受け皿。コース分けされており、入学後に伸びれば上のコースへ行けます。
メリット:圧倒的な「近さ」
何より近いです。
自転車で通えるため、スクールバスの時間に縛られません。
部活で遅くなっても、雨の日でも、自力で帰ってこれます。この「時間の余裕」は大きいです。
デメリット:学費の壁
やはり私立なので、公立に比べれば学費はかかります。
しかし、電車賃やスクールバス代が不要であることを考えると、トータルの差額は少し縮まります。
東洋大牛久高校(偏差値55〜60)
- 場所: 牛久市。スクールバスが充実。
- 特徴: 少し偏差値は上がりますが、中堅層に人気のある学校です。
メリット:大学附属の安心感
東洋大学への内部推薦枠があるため、大学受験のプレッシャーを少し軽減できます。
施設も充実しており、私立らしい学校生活が送れます。
デメリット:バス通学の拘束
スクールバス通学が基本となるため、「朝のバスに遅れたら終わり」というプレッシャーがあります。
また、放課後もバスの時間に合わせて行動する必要があります。
「家で勉強しない子」にこそ、近場の私立を推す理由
私は20年住んで、多くの受験生を見てきましたが、「家で自分から勉強しない子」を、無理に遠くの公立に通わせるのは危険だと感じています。
理由1:往復2時間の通学は「勉強時間」を奪う
往復2時間の電車・バス通学は、大人でも疲れます。
勉強嫌いな子が、満員電車に揺られて帰宅した後、机に向かう体力が残っているでしょうか?
おそらく、そのままスマホを見て寝るだけです。
近場の学校なら、その浮いた2時間を睡眠や休息、あるいは少しの勉強に充てられます。
理由2:私立は「学習管理」をお金で買う場所
公立高校は基本的に「自由」です。勉強しない子は置いていかれます。
一方、私立(特につくば秀英など)は、学習管理や補習が手厚いです。
「家でやらないなら、学校でやらせてくれる」環境をお金で買う。
親がガミガミ言うストレスをお金で解決すると思えば、私立の学費は決して高い投資ではありません。
まとめ
見栄を捨てて「生活」を取ろう
「公立に行ってほしい」というのは、多くの場合、親の経済的な事情や、「なんとなく公立が普通」という世間体です。
しかし、つくば市研究学園という特殊なエリアにおいて、偏差値50の公立進学は「イバラの道」です。
もしお子さんが「どうしてもあの公立に行きたい!」と言うなら応援すべきですが、「どこでもいい〜」と言っているなら、通学負荷の低い近場の私立を強くおすすめします。
高校生活は朝が早いです。
3年間のお弁当作りと送迎、そしてお子さんの睡眠時間。
これらを守るために、「近さ」を選ぶことは決して逃げではありません。